Earth-friendly,

JUTE.

ジュートは幅広い分野で活躍できる、天然繊維です。

現在は主に雑穀袋、カーペット基布や緑化用資材に使われているジュートですが、
漁業用資材、農産物や鉱物・鋼材の梱包用資材、アパレルなど様々に応用が利く素材です。
また、環境に優しい天然繊維という強みを活かし、
海洋プラごみの問題やプラスチックの削減にも貢献することができます。

ジュートって何?

ジュートは、主に農業用・工業用の麻袋などに使用されている繊維で、黄麻(コウマ)と呼ばれるアオイ科ツナソ属の一年草から出来ています。
高温多湿地域で栽培され、生産量はインド・バングラディシュが全体の9割を占めています。昔は「ドンゴロス」や「南京袋」と呼ばれていました。

ジュートの用途

  • ジュートフェルト

    天然繊維のジュートから作られた、環境に優しい不織布です。

    • 緑化資材
    • 自動車用部材
  • ヘッシャンクロス

    横糸1本・縦糸1本で織った布で、ジュート麻をしっかり織り込んだラフな素材感が特長です。

    • 家具インテリア
    • 壁装
    • バッグ
    • 土木素材
    • 絵画用キャンバス
  • ガンニークロス/サッキングクロス

    横糸1本・縦糸2本(織機による)で織った布で、生地は厚くヘッシャンクロスより太い糸を使います。

    • 米袋
    • 豆袋
    • コーヒー豆袋

ジュートの良いところ

  • 環境に優しい

    ジュート製品は使用後に焼却しても有害なガスが出ないため、環境に優しい素材です。

  • 地球温暖化防止

    二酸化炭素の吸収力が非常に高く、地球温暖化を抑制します。

  • 経済的な天然繊維

    天然繊維の中で最も安価。さらに吸湿・放湿・通気性・寸法安定性に優れ、熱にも強いです。

ジュートの生産工程

はじめに種をまいて3〜4ヶ月で3m前後に育ちます。
その後刈り取られ、1〜2週間水につけ(レッティング)発酵させ、靭皮(じんぴ)という外側の皮が剥がれます。
そこから繊維を取り出すことができ、更に水洗い・乾燥すれば天然繊維になります。

ジュートの種類

  • 白色

    ホワイトジュート Corchorus Capsularis

    美しく非常に希少度が高い種で、強度は他の種に比べると劣ります。

    • 精紡糸
    • 7月中旬
    • 8月中旬
  • 赤褐色

    トッサジュート Corchorus Olitorius

    ホワイトジュートと並ぶ代表的な種で、高品質で柔らかく強度があります。

    • 精紡糸
    • 9月中旬
  • 白赤褐色

    メスタ Meshta and Kenaf

    ジュートの代用として使われることが多く強度は他の種に比べると劣ります。

    • 粗紡糸
    • 7月中旬
    • 8月中旬
  • 黒赤褐色

    カッチングジュート Cutting

    皮付きのものが多く、変形に強い剛性がある種です。

    • 粗紡糸
    • 7月中旬
    • 8月中旬

ジュート・世界の歴史年表

ジュートの歴史を遡ると、1526年のムガル帝国時代の歴史書に村人がジュート製の服を着ていたと記載されており、その後ムガル帝国は衰退していき英蘭が南インド進出をしたことでジュート業界も大きな影響を受け今に至ります。

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ジュートの歴史 世界の歴史
ジュートの最初の貿易業者「イギリス東インド会社」が約100トンのジュートを輸出 1790s 米国で特許制度が確立
フランスにて第一共和制が樹立
米価騰貴のため江戸・大阪で打ち壊し
スコットランドの紡績工が動力駆動の亜麻の機械を改造してジュートヤーンを紡ぐ方法を学ぶ
インド亜大陸からの原料ジュートの生産と輸出が増加
1830s フランス7月革命の勃発
パリのエトワール凱旋門完成
大塩平八郎の乱
コルカタ近くのフーグリ川にあるリシュラに
最初のジュート工場を設立
1850s 世界初の万博、ロンドン万国博覧会開催
クリミア戦争がパリ条約で終結
ペリーが黒船で浦賀へ来航
5つの工場が950の織機で稼働 1860s リンカーンがアメリカ合衆国大統領選に当選
アメリカ南北戦争勃発
薩長同盟成立
38社が10億ヤード以上の布と4億5000万以上の
バッグを輸出
1910s 第一次世界大戦勃発
スペイン風邪が大流行
日本各地で米騒動が発生
68,377の織機が主にコルカタ近くのフーリー川に集中
技術の進歩により、黄麻布やヘシアンクロスと呼ばれる
より細かい生地が製造可能になる
1930s 第二次世界大戦勃発
五・一五事件/二・二六事件
イギリス領インド帝国滅亡後、ジュート産業の起業家がインドを去ることになり工場のほとんどがマールワリーの商業集団に引き継がれる 1940s 太平洋戦争開戦
北大西洋条約機構(NATO)が設立
日本国憲法公布
バングラディシュ解放後、パキスタンのジュート工場のほとんどがバングラディシュ政府に引き継がれバングラディシュジュートミルズコーポレーションを設立 1970s 二度のオイルショックで世界経済が混乱
大阪万博が開催